新世代の認知行動療法を用いたメソッド・ツール
「Dr.アプリ®」
ストレス関連疾患に伴う問題や困り感の解決をサポートする「Dr.アプリ®」は、新世代の認知行動療法*¹を用いたメソッド・ツールであり、臨床現場での心理療法をスマートフォン上で再現することを目指して開発したアプリケーションです。早稲田大学総合研究機構・応用脳科学研究所 所長の熊野宏昭教授を取締役、齋藤順一客員次席研究員を執行役員として万全の開発チームメンバーと共に取り組んでいます。
*¹ プロセスベースドCBT(PBーCBT)・アクセスプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)
早稲田大学 応用脳科学研究所の方針
現代社会は、産業構造の変化と経済活動の流動化、文化の発展が不可避的にもたらす環境問題、情報化の進展と仮想世界の影響力の増大、少子高齢化など、数多くの難題に直面している。これに対して、医学や生物学にとどまらず、薬学、化学、工学、情報学等の自然科学の多くの領域に波及効果を持つ脳科学研究の役割が期待されている。しかし、上記のような複雑な問題に対処するためには、個別の臓器としての脳の構造や機能についての研究を深めるだけはでなく、人文・社会科学分野まで含めた幅広い領域との連携・融合を積極的に進めながら、人間の総合理解を目指す「総合人間科学」を構築しそれに基づいた「応用脳科学」の発展を確かなものにする必要がある。
上記のような現代の課題状況は、将に過去20年来、文理融合型の研究教育を進め、幅広い研究成果をあげてきた人間科学・スポーツ科学両学術院がその実力を発揮できる場と言える。そこで、本研究プロジェクトでは、現在までに蓄積してきた「脳と心の科学」のポテンシャルを、「応用脳科学」という軸に沿って有機的に結びつけながら大きく発展させ、具体的な成果として社会に還元することを目的とする。
【出典元】早稲田大学 応用脳科学研究所HP
Dr.アプリ®が目指す精神科領域医療リコンストラクション
「Dr.アプリ®」は臨床の場での認知行動療法等の心理療法をスマートフォン上で行うものなので、医療現場との親和性が高い特徴があります。
「初診待ちの解消」・「データ活用/診療効率化」・「均質な認知行動療法の提供」・「検査費として精神科診療報酬のアップ」等、日本の精神科が抱えている課題解消に繋がります。(近年注目されている、デジタル技術を利用して新しい疾患治療を提供しているものとは開発コンセプトが異なります。)
英国国立医療技術評価機構:英国NICEガイドライン
(National Institute for Health and Clinical Excellence)
責任者は誰? | 焦点は何か? | 何をするか? | |
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STEP1 | GP・プラクティスナース | 気づき | 評価 |
STEP2 | プライマリケアチーム・プライマリケアのメンタルヘルスワーカー | 軽度のうつ病 | 注意深い観察・指導下の自助・コンピュータCBT・運動・短期の心理的介入 |
STEP3 | プライマリケアチーム・プライマリケアのメンタルヘルス関係者 | 中等度・重度のうつ病 | 投薬・心理的介入・周囲のサポート |
STEP4 | 精神保健専門家・危機対応チームを含む | 治療抵抗性・反復性・非定型及び精神病性うつ病・危機的な状況にある患者 | 投薬・複合的心理的介入・併用療法 |
STEP5 | 入院・危機対応チーム | 生命の危機・重篤な自己ネグレクト | 投薬・併用療法・ECT |
※下線項目は「Dr.アプリ®」で提供可能です
【出典元】図1:英国NICEガイドライン(stepped care model)
Dr.アプリ® のプロセス
臨床心理現場の再現
あなたに最適なテーラーメイド心理療法プログラム
「Dr.アプリ®」は表面化している問題だけでなく、その背景にある個人の生物・心理・社会的要因に着目してアセスメントを実施し、行動特性を分類しているため、アプリ利用者ごとにタイプ別プログラムをテーラーメイドで提供できるのが強みです。
開発者の声
熊野 宏昭
取締役
(早稲田大学 応用脳科学研究所 所長)
“巷には多くのヘルスケアアプリが出回っていますが、 「Dr.アプリ®」は臨床現場でのカウンセリングと同等、あるいはそれ以上の本格的なプログラムに仕上がっています。”
様々なストレスが蔓延する現代社会では、うつ病や不安症などの精神疾患のみならず、心身症や生活習慣病などの身体疾患まで、非常に幅広い病気に対して、ストレス関連疾患としてアプローチすることが重要になります。そして、改善のためには、薬物療法のみならず効果的なストレスマネージメントが必要になり、そのための方法として、科学的・実証的な研究成果に基づいた認知行動療法などの行動科学的治療法が開発されてきました。それらの方法は、臨床現場では公認心理士などの専門家によって実施されているものの、多くの国民にとってのアクセスは未だ不十分な状況なので、アプリなどで再現することは容易ではなく、これまでは、入り口の部分を提供するのみといった状況でした。そこで、われわれの研究所とロゴスサイエンス社では、2020年初頭より共同研究を進め、臨床現場で実施される効果的な認知行動療法に含まれる要素を抽出し、それをアプリ上で再現できるような汎用的なシステムの開発を進めてきました。そして今回そのプロトタイプを用いてフィージビリティスタディを実施したところ、アウトカム指数の改善も含め大変有望な結果が得られました。この成果に基づいて、ロゴスサイエンス社とともに切り開くデジタル・セラピューティクスの近未来にぜひご期待ください。
齋藤 順一
執行役員
(早稲田大学 応用脳科学研究所 客員次席研究員)
“各種心理検査の結果から、あなたに最適な心理療法プログラムを提案します。1日約5~10分程度のプログラムでストレス関連疾患を改善するだけではなく、生活全体の満足感を高めるような取り組みをします。”